住まいづくりはもっと自由に、もっと楽しみながら出来ると私たちは考えています。快適でたのしみのある住まい作りのお手伝い。これが私たち Eee worksの仕事です。
一級建築士事務所 Eee works
サヴォア邸 を 宇多田ヒカル で考える。
サヴォア邸(別荘)
設計;ル・コルビュジエ
所在;フランス郊外
竣工;1931年
サヴォア邸を見学する機会をいただき、もちろん設計者としてこの上ない機会に胸躍らせ向かいました。敷地のゲートをくぐる時ドキドキしたほどです。
写真では、何度となく見、学生時代には課題で模型も作った、20世紀の住宅の最高傑作の一つです。
まずは体感と思い、
ル・コルビュジエの提唱した5原則
ピロティ・屋上庭園・自由な平面・水平連続窓・自由な立面を
隅々まで一つづつ施工確認するように見て回りました。
ピロティーと屋上庭園で階層は3層で、フロアは完全に分離されているものの、
それをつなぐスロープが、それぞれのフロアを緩やかにつないでいて、歩を進めるごとに
景色がすこーしずつ変わっていきます。
と学ぶべき感動ポイントを上げていくと「枚挙にいとまがない」わけですが、
『衝撃を受けるというような、新たな発見という感動ではない。』
これが私の正直な感想でした。 何かまだ見切れていない。と自分を疑っていました。
それで見ている間から、そして戻ってからも、さてどういうことだろうと、延々と考えていました。
そして、先日。『あっ!!そうだ、ヒントは宇多田ヒカルだ!!』と思いついたわけです。
宇多田ヒカル
デビュー;1998年
1Stアルバム;First Love 売上765万枚以上
2011年活動休止ー2016年活動再開
先日宇多田ヒカルのデビュー当時の曲を聴いていて、『もう18年も前の曲なのに全く古さを感じない。』という話になり、それは、当時の曲がいかに先進的であったか。
また、今現在においても、その先進性は、スタンダードになっている部分はあっても、『古い』と感じるほど、それを超えるものがまだない。ということなんだと思ったわけです。
ここで、サヴォア邸と宇多田ヒカルが私の中で、
『先進性』と『時間』と『スタンダード』というキーワードで繋がりました。
その、サヴォア邸ですが、『衝撃を受けるような新たな発見』を見つけられなかった私なりの解釈は、
90年近く前にできた建物が、現代においても、十分に現在の建築として違和感のない考え方を持っている。
つまり、当時の異端とも言える先鋭的な試みは、現代において模倣され、それがスタンダードとなり、私たちは普段見る一般建築においてもサヴォア邸で試され、確立された試みを見ることができる。
ピロティー、連続水平窓、屋上庭園、
完成度と思想は、全く別として、その概念は、非常に一般化しています。
だから、古典的価値ではなく、親近感すら覚えるようなそういう見方になったのではと、気づきました。
90年も前の建物の建築的魅力が古典的でなく、今現在において全く色褪せることなく魅力を持ち続けている。という設計の素晴らしさを今更、今更ながら、身震いするような感動とともに思い返しています。
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