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一級建築士事務所 Eee works

Column コラム

『あれこれ考える』シリーズ『住まいを考える』シリーズ探訪記

2025-08-23

谷口吉郎・吉生記念建築館 再訪 Column384

谷口吉郎・吉生記念建築館 再訪

お盆休み中に金沢方面まで足を伸ばし 金沢建築館を再訪しました。

谷口吉郎・吉生記念建築館との名を拝する建物は、 谷口吉郎・吉生親子の生い立ち、

作品を展示の主軸に置き 金沢の芸術拠点となるべく建築を中心の企画展を行う美術館です。

そして、この建築地が、谷口吉生先生の生家跡とのことで、名実共にに谷口先生の

記念館ということになります。

谷口先生の作品の素晴らしさは言うに及ばず偉業は枚挙にいとまがないわけですが、

今回建築館訪問の目的は、以前(完成直後の2019年だったはず)の訪問時と

私自身の視点が変わっているか。ということを目的に訪問しました。

訪問先は、

最上階の谷口吉郎設計の迎賓館赤坂離宮 和風別館『游心亭』の広間と茶室を

再現した展示です。

谷口建築といえばその全ての目地が揃っているのでは?と思うほど均整のとれた

プロボーションの美しさが有名ですが、見えない、さりげない配慮も

今回たくさん発見できました。

建築は、純粋芸術作品ではなく『人が介在することで完成する』芸術性の高い

造作物です。

そんなことを考えながら繁々と眺めていたら、学芸員の方から、

 

学芸員の方『遠方からお越しですか?』

私 『はい、大阪から来ました』

学芸員の方『建築関係の方? もしかして設計の方ですか?』

私 『え?はいそうですが、何か怪しい動きでしたか?』

学芸員の方『いや、怪しくはありませんが、見る場所、動きで分かります』

私 『あーそうなんですね』

 

というやりとりののち、茶室の一工夫を教えていただきました。

炉を切った茶室を取り囲むように土間その土間空間にベンチが設られています。

この茶室は、迎賓館赤坂離宮 和風別館『游心亭』なので、国賓・海外要人を

お迎えしお茶を振る舞うことが目的の茶室です。

そこで、星座の習慣の少ない方々に向け土間内にベンチを設けているらしいのですが、

そのベンチの座面高さが低く設計されています。

このベンチにに外国の来賓が座った際、

『習慣として 足を組む』ことを避けるため

ベンチ座面を低く設ている。ということでした。

確かに、400から430ミリ程度が標準的な座面高さのところこの座面はもっと低く

足を組むと逆に体勢が辛くなる高さで設定されています。 

『足をくまないでください』と言いにくい来賓に 建築側で、足を組みにくいよう

あらかじめ設計している。という配慮。

これは、茶室で足を組むという無作法を 生み出さない。来賓に恥をかかせない

建築による設計による配慮です。

これはなるほどと、納得しました。

 

 

私も住まい手の身長体格から様々なことを考えますが、

全く、足元にも及ばず、、、改めてその凄さを思い知った再訪でした。

それ以外にも、窓と水盤の関係、午前中限定で日射が差し込んだ時の空間の変容

など、かなりマニアックに話し込んでしまいました。

学芸員さんのお邪魔かなと思いつつ、ご本人も楽しそうにお話になるので、

ついつい、長居してしまいました。

 

 

再訪問の目的であった

私の視点は、以前に比べ周りの方にわかるほどにマニアックになっていた。

という事だったと認識できた旅でした。

 

 

 

 

 

長文お付き合いありがとうございました。

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