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一級建築士事務所 Eee works

Column コラム

『住まいを考える』シリーズ健康な暮らしと住環境植栽・外構計画

2026-02-21

居心地について考える Column410

『居心地』を考える

池田の家の現場では天井下地が進んできて、室内のボリュームや窓と空間の関係が

見え始めてきました。

天井付近に設けるハイサイド窓、吹き抜けとあえて抑えた低めの天井。

これらは全て住まいの『居心地』の最大化するという視点で計画しています。

今回は、

身体感覚的として『あぁ、落ち着く...』

と感じる場所に隠された仕掛けを

Eee worksの事例から 紐解いてみたいと思います。

 

■絞りと開き(嵐山の家)

嵐山の家のインナーバルコニー。

ここの天井高さは2050mmです。

かなり低く、大人が手を伸ばせば届くほどの高さ。

あえて高さを『絞る』ことで、写真のトリミングのように周辺情報をカットし、

嵐山の山並みだけを脳に届けます。

見えるものを絞るからこそ、脳は『その先の美しさ』をより鮮明に描き出してくれる。

そんな効果を狙っています。

 

■静寂と変化(箕面の家)

北側に庭と大きな開口部を設けた『北庭』の計画です。

北の窓には直射日光が窓に差し込むことは、ほぼありません。

代わりに、反射光が室内の明るさを確保しています。

庭の木々は日射に向かって枝葉を伸ばすため、室内からは常に

『陽に照らされ生き生きとした木の表面』を眺める事ができます。

変化の少ない安定した明るさ(静寂)の中で、

移り変わる外の情景(変化)を眺める。

このギャップが心の凪につながる ことを狙っています。

 

■高いと低い(宝塚の家)

『天井は高い方がいい』というイメージがあるかもしれませんが、

実はそれだけでは人は落ち着きません。

想像してみてください。運動会のお弁当タイムで体育館を開放された時、

真っ先に真ん中に陣取る人、あまり居ませんよね。

人は本能的に『背中に壁がある場所』

『少し囲われた場所』を求めます。

吹き抜けという『高い・開放』があるからこそ、その傍らにある『低い・こもり』

が活きてくるのです。

 

■建築学X医学:なぜ『対比』がある

 空間で人は落ち着くのか

これら『絞りと開き』『高いと低い』といった対比がなぜ心地よいのか。

そこには、脳と自律神経の働きが大きく関わっているようです。

1、『展望と隠れ家(プロスペクト・リフュージ)』理論

人は太古の昔から『そと(獲物や敵)がよく見渡せるけど、自分の身は安全な場所に隠れている』状態を最も好む性質がある。

低い天井や背後の壁は脳に

『ここは安全な隠れ家だ』という信号を送ります。

これによりストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、副交感神経が優位な

リラックス状態になる事がわかっているようです。

 

2、視覚情報の『ノイズキャンセル』効果

情報が多すぎる空間(明るすぎる・広すぎる)では、脳は、無意識に疲労します。

あえて光を絞ったり、視界を遮ることで、

情報の『ノイズ』をカットすることで

視覚野の負担が減り特定の美しい景色や一筋の光に対して、脳が深く集中して

快感(ドーパミン)を感じやすくなるようです。

 

■『対比』をデザインするということ

暗い場所があるから、光が美しく見える。

低い場所があるから、空の高さに感動できる。

 

五感の中で、情報の8割を占めると言われる

『視覚』を整えることが、

空間の居心地につながると考えています。

 

何気なく座った椅子で『ふぅーっと』深く息をついていただけたら。

設計者として これほど嬉しいことはありません。

 

 

 

 

 

 

 

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