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一級建築士事務所 Eee works

Column コラム

『住まいを考える』シリーズ健康な暮らしと住環境家づくりのはじめに植栽・外構計画

2026-06-06

AI時代の『一点もの』の価値 column425

AI時代の『一点もの』の価値

AIが急速なスピードで世界を席巻しています。

我々建築業界においても、設計の効率化やプレゼンの場面でその恩恵を

受ける場面が増えてきています。

そんな中、私はこの週末、2件のショールームを回ってきました。

1つは国内外の石材を扱う『関ヶ原石材』が大阪にOPENしたばかりのショールーム

もう一つは、10年来のお付き合いとなる植栽の仮植園『若生植物農園』

目的はどちらも同じ。『1点もの』の選定です。

 

■『それっぽい』パースの落とし穴

AIの進歩は目覚ましく、簡単な図面と指示を文言で与えれば、あっという間に

『それっぽい』パースを出力してくれます。

植栽も、石材もこちらの入力が詳細であればあるほど、その精度は高くなる

はずです。

リアルに作り込まれたパースは、打ち合わせのツールとして秀逸で、物事の決定には、非常に役立つことが、あると思います。

しかし、そのパースには設計者の意図を超えた部分と本来押さえて置くべき材料の特性や知見が抜け落ちている可能性があります。

AIはネット上の膨大な情報から、指示に最も近い

『最適解』を組み合わせ『いい感じ』

にまとめてくれます。

しかし、その『いい感じ』の石や植栽は現実には存在しません。

 

■1点ごとに異なる『適性と特性』

石には石の、植栽には植栽の、当たり前の『特徴』があります。

石は熱で伸び縮みし、時に反り、酸性により変色することがある。

植栽は日射を好み、あるいは嫌い、育ちの早さも種によって全く違う。

私たちは、その一つ一つを現地で確認し、プロの知見を借り、住まいの全体のバランスと照らし合わせて判断する。

その結果『いい感じ』と思われても敷地や住まいに『適さない』との理由から採用できないものもある。

こんなAIに比べると、恐ろしくローテクな決定プロセスを経て

私たちの現場は進んでいます。

AIによる『ローテクを飛ばした決定』でそれなりに収まる建物もあるかもしれません。

しかし、問題はその先です。

生きた材料はその場所に馴染まなければ、必ず反応します。

反る・変色・枯れる・希望に反して大きくなりすぎる。

こうなったら、またAIに対応を聞くのでしょうか。

 

■ローテクを積み上げるということ

今朝の日経新聞に『クロードミュトス』を開発するアンソロピック社が

『開発の暴走にブレーキが必要だ』発表した記事がありました。

AIは専門家の足りない知見を埋めたり、判断を委ねるものではない。

私も全く同感です。

便利が行き過ぎると、必ず何かが置き去りになります。

私がEee worksの住まいづくりで、あえてローテクな選定プロセスを繰り返すのは

それが、そのまま『住まいの情緒や居心地』に直結するからです。

『AIに最適化された最適解』と『現場で選び抜いた一点もの』

どちらがこの先の住まいの豊かさを生み出せるかは、言うまでもありません。

私は今日も『ローテク』積み上げるため

現場に向かいます。

 

 

 

今回も長文お付き合いありがとうございました。

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