住まいづくりはもっと自由に、もっと楽しみながら出来ると私たちは考えています。快適でたのしみのある住まい作りのお手伝い。これが私たち Eee worksの仕事です。
一級建築士事務所 Eee works
『住まいを考える』シリーズ健康な暮らしと住環境家づくりのはじめに植栽・外構計画
半外(はんそと)空間のまとめ方

住まいの計画をするとき、『いいなぁ』と直感的に思う空間の一つに、
半外空間があると思います。
Eee worksの住まいづくりの初手として、まずはヒアリングシートを書いていただくのですが、その中に一つ、こんな質問を設けています。
住まいに限定せず『今までで一番気持ちよかった場所はどこでしょうか?』
この問いに対して、帰ってくる答えの多くはやはり、どこか『外部の空間』です。
その理由はきっと、圧倒的な開放感であったり、季節感や、時間の移ろいを感じられるからではないでしょうか。
■理想と日常を繋ぐ「中間領域」

しかし、いざ実際の住まいの計画の話になると、
『それは旅先だから言える理想の話。日常の家は家』と切り離して考えてしまいがちです。
なぜでしょうか。
気持ちのいい自然環境と、日常を過ごす住まいは、全く別々の場所にある存在。
自然の移ろいは外の話であって、住まいの中とはリンクしない。
そう無意識に感じておられるからだと思います。
でも、そんなことはありません。
その一見相反する「ウチ」と「ソト」を結びつける空間こそが、
『中間領域=半外空間』です。
半分外。
ソトとウチの真ん中あたりを指す言葉ですが、
その両方の境目が『曖昧な場所』ほど、
私たちは理屈抜きに気持ちいいと感じます。
これは、人間のDNAに組み込まれている感覚ではないかと思うのです。
例えば、昔の日本の家屋にあった『縁側』
雨の日に縁側のガラス戸を開け放ち、室内に吹き込まない雨をのんびり眺める。
あるいは、夏の海で大きなパラソルの下からきらめく波打ち際を眺める。
これらはいずれも、雨や風、強い日射といった
自然の脅威を『建築(庇やパラソル)』によって心地よくを遮りながら、同時に、自然の持つ心地よさや恩恵だけを贅沢に享受したい。
そう願う人間の素直な気持ちの表れではないでしょうか。
■住宅地で「半外空間」を成立させる繊細な配慮

この『気持ちいい』と感じる空間を日常の住まいに取り込めないか。
その問いの先にあるのが、半外空間の設計です。
ただし、半外空間の設計には、実はとても繊細な配慮が必要です。
ただ、大きな窓をつけて、その外にデッキを作れば良い。そんな単純な話ではありません。
特に一般的な住宅地の中で、心地よい半外空間を作るためには、周囲からの視線や周辺建物など、自然を感じるために
『不要なもの』を注意深く避ける工夫が必要です。
その配慮が隅々まで行き届いて初めて、その空間は成立します。
深くだした軒下空間のライン。周辺の目線を柔らかく避る位置に、あらかじめ計算して植えられた樹木。室内と屋外を繋ぐための、空間の向き合い方。
これらに定まった正解はありません。その敷地がもつ周辺の状況や、繋がりたい外部の状況によって、出すべき回答は毎回異なります。
■すべての条件が綺麗に整うということ

しかし、どのすまいも共通しているのは、そこには季節感を感る『植栽』は必須である。ということかと思います。
四季に応じて表情を変える葉っぱの様子。そして、日々の日射や雨の強さによって、
しっとりと状態を変える美しい葉っぱのゆらぎ。
これらを室内から感じるためには窓が透明であること。そしてカーテンが昼間から締め切られることなく、いつでも開いていることが大前提になります。
カーテンを開け放して暮らすためには、周辺からの目線が、建築の計画によって最初から
程よく遮られている必要がある。
このように、一つの要素だけでなく、全ての条件が整っていて、初めて半外空間は成立するのだと思います。
■まず「敷地のどこに位置づけるか」という初手から

いかがでしょうか。少し難しく、そして奥が深い世界ですね。
ちなみにEee worksの計画は、まずこの
『半外空間を敷地のどこに位置づけるか』という初手から始めていきます。
今の住まいで、カーテンを閉め切ったまま生活している窓はありませんか?
ウチとソトの関係を少し整えてあげるだけで、日々の暮らしの豊かさは、見違えるように変わるかもしれません。
今回も長文お付き合いありがとうございました。
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