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一級建築士事務所 Eee works

Column コラム

『住まいを考える』シリーズ健康な暮らしと住環境家づくりのはじめに植栽・外構計画

2026-06-28

『日射』との付き合い方を考える Column428

『日射』との付き合い方を考える

豊かな窓辺の作り方

『住まいの豊かさは窓辺の居心地で決まる』と言っても過言ではありません。

明るさ、風、移りゆく季節。 

これらを安全な室内の窓辺から感じとることは、暮らしにおいて贅沢な時間だと思います。

私たちの計画では『窓辺』は最初に考える最も大切な項目です。

敷地の中で一番気持ちのいい場所を探し、そこに中間領域を設定し窓と庇を設定する。 

この順番を守ることで、窓の外をのんびりと眺められる、

心身を癒す居場所を作っています。

 

■なぜ、私たちは『反射光』を求めるのか

『気持ち良い窓辺』この言葉から連想する窓辺はどんな様子でしょうか。

窓の近くに腰掛け、緑やいい景色があり、そよ風が吹いている。

では、『日射』はどうでしょうか。直射日光が燦々と当たってる?

そんなことはないはずです。私たちが直感的に求めているのは、反射光による

『柔らかな明るさ』ではないでしょうか。

実は、この直感には医学的な根拠もあります。

皮膚科学の知見では、

過度な直射日光は皮膚の『光老化(しみ・しわ)』を促進し、

眼科学の観点からも、強い直射日光は白内障や加齢黄斑変性などの眼疾患リスクを高めることが明らかにされています。

つまり、私たちが直射日光を避け、反射光を好むのは、身体が本能的に『健康を守る環境』を求めるからに他なりません。

私たちは、窓辺で心地よさを感じるために、無意識のうちに健康リスクを避けているのです。

だからこそ、日射を直接受けるのではなく、室内に取り込む前に『調整』し、拡散された光として享受する設計が必要になります。

これは、決して閉鎖的になるということではなく、健康を守りながら景色を愉しむための『健康的防衛策』なのです。

 

■日射を柔らかくする3つの手法

では、深い軒・庇をつけることがなかなか難しい日本の住宅事情の場合、

どう『柔らかな光』を実現すれば良いのでしょうか。

1、窓の位置により光を調整する

吹き抜け上部に窓を設け、一度壁に光を当てて反射させる方法です。

直接的な光ではなく、壁面に当てた反射光で室内をじんわりと満たす。

これなら、直射日光を避けながら、反射光で明るい室内が実現できます。

2、内障子で情緒もプラスする

内障子で日射をワンクッションし拡散し、柔らかい光に変える方法です。

内障子は日射を柔らかくするだけでなく、断熱的にも二重窓的な効果も期待できます。

差し込んだ日射が照らし出す障子の桟も情緒的で美しいものです。

3、落葉樹で遮蔽と季節感をプラスする

これは、やや植物まかせな部分もありますが、窓直近に落葉樹を植えることで、

日射を遮りたい夏場に葉をつけ、日射を取り入れたい冬場は葉が落ちている。

という天然のサイクルを日射遮蔽装置として利用する。という方法です。

こちらは、あくまで補助的な考え方なので、窓の取り付け位置や、軒や庇、

時には北窓も考えながら日射の差し込み方をよく考えることが前提です。

窓辺に四季の移ろいを直接持ち込む非常に豊かな計画となります。

 

■『大きな要素』から『部分』へ

『豊かな窓辺』を作るコツは、

設計の順番にあります。

まずは敷地という大きな視点からスタートし、窓・軒の後に植栽などの庭の計画を進めていくこと。

『豊かな窓辺』というゴールを敷地の中で設定し、そこから建築と庭を作り上げていく。

その順番を大切にすることで、流行りの設備やインパクトだけの仕様とは無縁の、普遍的で美しい暮らしが生まれると確信しています。

いいものはいつも外からやってくる。

窓辺の計画を考えることは、健康を守りながら、外の景色を暮らしの一部として迎え入れるための、最も大切な作法です。

 

 

 

今回も長文お付き合いありがとうございました。

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