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一級建築士事務所 Eee works
『あれこれ考える』シリーズ自然環境・災害
地元:東かがわ 帰省で改めて思ったこと
今回は、YKKAP主催 APWフォーラムプレゼンテーション2019の講師として
お招きいただき、併せて東かがわに帰省。ということになりました。
普段大阪に住む私は、大阪から高速バスに乗り、淡路島経由で東かがわまで、約2時間。
大阪を出発するときの喧騒から、1時間も走ると、車窓は緩やかな『淡路島』
さらに1時間が過ぎた頃、すっかり車窓は入れ替わり
緑と海の分量が多い景色『東かがわ』に到着です。
生まれて、18年、社会人になって数年しか住んでいないこの東かがわが私は年々大切になり、
景色の美しさを再認識しています。
それだけに、どんどん進む『過疎化』と、申し訳ないですが『それを認識しない行政』に
非常に残念な思いがしています。
今 東かがわの人口は、30,564人(令和元年6月現在 東かがわ市HPより)
新生児は毎月10名以下で、お亡くなりになる方が上回り、
結果約毎月30人前後減少する完全な減少局面。
毎月30人というと、ちょうど小中学校の1クラス分。
これは、なかなか激しい数字で、人口が約3万人の東かがわの場合
1年で人口が1%以上減少することになる。
単純な計算では予測はできないけれど、
現在の高齢化率が40% 今後の上昇も加味すると、
このままいけば、何年後にどうなるか 想像に易いと思います。
そして街で目にしたのは、町全体に広がる
『閉塞感』と『真新しい公共建築』
昔栄えた商店街は、
シャッターの閉まった店が、30%
更地になった土地が40%程
の割合だろうか。
ともかく人がいないので、『商売』は成り立つわけもなく、ある意味
なるべくして、、、とも思える。
これは、帰省するたびに思います。
このままでは、
『街がなくなってしまう。』
そこで、思います。今こそ本気で、
スモールシティー作り
そして、『あらゆるものの地産地消』に向かう必要があると強く思います。
昨年2018年の初め、秋田県能代市で素晴らしい取り組みを見学しました。
秋田県能代市の令和元年5月の人口は
52,663人 こちらも人口減少局面は同じようで
本年5月の人口は前月比70人強の減(能代市HPより)だそうです。
その能代市で、昨年7月にOPENした
『道の駅ふたつい』
この取り組みが素晴らしく、大いに参考になると思っています。
この『道の駅ふたつい』は
建築家 西方里見先生 が参加する『チーム木』が設計し
材料;地元材
製材;地元製材所
施工;地元工務店
で作り上げた大規模木造建築です。
延べ面積2900㎡ 秋田杉をふんだんに使った平屋建て一部2階の建物で、
もっとも参考にすべきは、この大規模木造建築物を
地元の製材所で製材可能な一般材料を基準に設計し、地元の工務店で施工しているという点。
多くの建築家は、自身の設計する空間がスタート地点でそれを実現するために
『特殊工法』も含め
施工方法を模索します。
結果として、その特殊工法に対応できる建設会社 特殊材を準備できる製材所、企業
となり、『地域製材所・地域工務店』の参加が難しくなる。
これが、地方都市が都会のスター建築家を招致して建てる公共建築の姿のように思います。
しかし、この建物は、『地元の一般流通材』を設計のスタート地点に据え
その材料で、木造大空間を実現するためにいかに設計すれば良いかを模索しています。
施工もしかりで、地元工務店の施工可能な一般的な仕口、接合方法で設計されています。
よって、接合方法も非常に単純でわかりやすく、小さなピースを細かくつなぎ合わせて、
大空間を構成しています。
継ぎ手が一般的なので、今までの施工技術で丁寧に施工すれば、
結果として、大規模空間が出来上がる。
これは、建築家として大変珍しく、大いに学ぶべき視点です。
設計者の考え方一つで、地場産材を生かし、地域工務店が施工の中心者になり得る。
出来上がった建物は、地元の人たちの代表作となり、そこにしかないオリジナルとなる。
設計も材料も、製材も施工も地元の人。
当然利益も地元を循環する。計画・施工に関わった人は、建物を誇らしく思い
メンテナンスも『自分ごと化』する。
これぞ、公共建築のあるべき姿 だと思います。
これから、東かがわ市では、新たな公共建築を作ることはないのかもしれません。
しかし、もし新設することがあれば、この取り組みを是非真似ていただく柔軟さを
期待したいと、1東かがわ出身者として願ってやみません。
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