住まいづくりはもっと自由に、もっと楽しみながら出来ると私たちは考えています。快適でたのしみのある住まい作りのお手伝い。これが私たち Eee worksの仕事です。
一級建築士事務所 Eee works
『住まいを考える』シリーズ健康な暮らしと住環境探訪記自然環境・災害
鹿児島から八代地震の視察

9月10日、YKKAP主催の
『NEXT Standard Forum 2026』 に登壇するために鹿児島に伺いました。
ご来場いただいた皆様ありがとうございました。
講演翌日の帰阪予定が、航空券の都合で12日に変更となり、
『今こそ現場を見るべき!』と考え
2026年7月に発生した地震の被災地である熊本県八代市に鹿児島より向かいました。

八代ICから視察をスタートし、日本製紙八代工場エリア・新町・本町(旧市街エリア)
八代市役所新庁舎エリアを周り、
午後からは、液状化被害が報じられた、北部の鏡町・鏡町鏡村・氷川町エリアを
視察しました。今、鹿児島空港に戻りコラムを書いているという状況です。
同行いただいた、ルピナスホーム 藤野代表 急遽の予定にも関わらず
ありがとうございました。
■現場の空気を肌で感じることの大切さ

現場を目の当たりにした率直な感覚は、
非常に『心情的に重い』ものでした。
日頃から自らが信じ検証と実践を重ねている住まいづくりも、
巨大な『地震』という力の前に、本当に有効なのかと、改めて問い直される様な
簡単に整理のつかない心情を抱えています。
それでも大きな災害が発生した際には、自らの足で現場に赴き、現場の空気と状況を肌で感じたいと考えています。
住まいに携わる実務者として、とても重要だと考えているからです。
10年前の益城町を中心とした熊本地震を経験された皆様にとって、
今回の地震は『またか、、』と心の折れる思いだったのではとお察しします。
視察の終わりに立ち寄った、八代市の西岡養蜂園の店員さんは
『10年前の地震とは比べものにならない揺れ・被害』だったと話してくださいました。
一度ならず2度までも大きな被害に遭われたの皆様の心中はいかばかりかと、
心よりお見舞い申し上げます。
■被災状況の偏りと『街区単位』の微細な差異

技術的な目で現地を見れば、被災状況の局所的な偏りを感じた点が印象に残りました。
築年数や、構造(木造・鉄骨造・RC造)だけでは説明のつかない極めて局所的な被害の差です。
築年数は同程度と思われる建物が通り一つ隔てただけで全く違う倒壊状況や被害の度合いが、異なっている箇所が、結構多いと感じました。
エリア的な特性はハザードマップの示す通りかと思いますが、
もっと局所的な街区単位程度の地盤の差が揺れの伝わり方に影響している様な印象を受けました。
この点は、専門外ですし、学術調査に同行した訳ではありませんので、あくまで
一実務者としての雑感です。
ただ、今後の再建や復興を考えたときには、この視点は重要になる様に感じます。
■『元の状態』へ戻す以上のゴールを見出すために

ハザードマップの危険度だけを根拠に、
『建てる・建てない』を二者択一で切り分けるのは、簡単です。
しかし、その土地で暮らし続ける選択肢を模索するならば、
『もし建てるのであれば、地盤や周辺状況をどう読み解き、どう手当すべきか』を
前向きにかつ、緻密に評価する視点が必要だと感じます。
もちろんこれは、個人に委ねる様な話でなく、行政が中心となり、民間実務者も交え
大きな方向性を考える必要があります。
人口が減少が進み、インフラ維持の課題が顕在化している今の日本において、
『元の状況(現場復旧)』をゴールとして再建、復旧するのではなく、
より良いゴールを新たに見出す視点が、我々実務者を含めあると感じます。
被災者の皆様には、10年前の苦難を乗り越えようと歩んでこられた中での
今回の被災に改めて、心よりお見舞い申し上げます。
この状況に向き合いながら一実務者としてなにをすべきか考える契機とし
日々の設計に活かしてまいります。

被災されました方々に、一日も早く穏やかな日常が戻ることを
深くお祈り申し上げます。
今回も長文お付き合いありがとうございました。
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