住まいづくりはもっと自由に、もっと楽しみながら出来ると私たちは考えています。快適でたのしみのある住まい作りのお手伝い。これが私たち Eee worksの仕事です。
一級建築士事務所 Eee works
『住まいを考える』シリーズ健康な暮らしと住環境家づくりのはじめに自然環境・災害
秋と空き が消えていく時代に

染み渡る秋晴れの休日です。
収穫の秋、食欲の秋、読書の秋。
古くから秋を愛でる言葉が多いように、本来の日本の秋とは、
夏の熱気がほどけ、徐々に冬の冷気へと向かっていく、美しいグラデーションのような季節でした。
しかし、ここ数年でその『秋』がずいぶんと短くなりました。
言い換えれば、『夏が長くなった』のだと思います。
半袖で過ごせる28℃の翌日、最高気温が一気に10℃も急降下する。
滑らかな調光ダイヤルを回すように穏やかに移ろうのではなく、カチリとON・OFFを
切り替えるスイッチのように、極端に季節が切り替わってしまう。
これが、私たちが向き合わなければならない、今の季節感なのだと思います。
■手段としての効率、目的としての居場所

そして、この『季節のグラデーションの消失』は、そのまま現代の住まいや暮らしにおける
『空き(余白)』の消失とも重なって見えます。
近頃の家づくりでは、コスパやタイパ、畳数や収納量といった
『いかに平米数を無駄なく使い切るか』という効率ばかりが目的化している傾向を
強く感じます。
もちろん日々の使い勝手や、動線、コストの合理化は、設計に欠かせない要素です。
しかし、それらは本来、心地よく暮らすための
『手段』であり『目的』ではないはずです。
住まいが果たすべき真の目的とは、日々の緊張から解かれ、疲れを癒し、明日への英気を養うことにあるのではないでしょうか。
■閉ざされた箱と、呼吸する軒下

近年の猛暑・酷暑を思えば、高気密・高断熱化を進め、空調設備で室内環境を均一に保つことが、
必須であることは否定できません。
しかし、本来人の心と身体を休ませてくれるのは、完全に機械で制御され、機能で埋め尽くされた部屋の中だけだろうか、とも思うのです。
日差しを遮り、雨宿りをするための深い庇。
軒下に身を置き、雨や風の音、街の気配を聞きながら過ごす時間は今の季節(本来の秋)しかできない楽しみの一つです。
その季節の移ろいを受け止めるバッファ(緩衝帯)としての『空き(余白)』があるからこそ、厳しい外環境と調整された室内とのあいだに柔らかなクッションが生まれ、
心に呼吸の余白がもたらされるのだと思います。
季節の『秋』が短くなってしまった時代だからこそ、住まいの中に内と外のを繋ぐ
『中間領域(半外部)』という名の空きを、意識して残していきたい。
効率の追求を少しだけ手放した先にある『豊かな余白』をどう編み込むか。
それこそが、これからの住まいづくりにおいて、最も大切にしていきたい中心の問いです。
住まいのかたちは、急いで決めるものではなりません。
どんな土地で、どんな風を感じ、どんな余白を持って暮らしたいか。
Eee worksでは、土地探しを始められたばかりの方や、2~3年先を見据えてじっくり住まいを整えていきたい方の設計相談をお受けしております。
まだ輪郭のはっきりしない想いの段階から、対話を重ねていければ幸いです。
今回も長文お付き合いありがとうございました。
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