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一級建築士事務所 Eee works

Column コラム

住まいは 豊かな暮らしの器 column230

2019-01-05

住まいは、豊かな暮らしの器であって

事業者の商売の道具ではない

2020年に住まいの断熱性能の基準を定めた『省エネ基準が義務化』される予定でしたが、今その義務化は、風前の灯となりつつあります。

この『省エネ基準義務化』は誰のためのものなのか。

そしてなぜ見送られようとしているのか。

 

2018年は自然災害元年と言えるほど、

豪雨、台風、猛暑、地震

異常気象による自然災害が多い年でした。

 

これは、昨年だけの特別な事なのでしょうか。

そうではなさそうです。

『地球温暖化』が、これら異常気象の原因だと言われていて、その原因があり続ける限り、

今後も起こり続けると考えられています。

地球全体の温度上昇によって、海水の蒸発量が増加し、雲が大きくなり台風が巨大化する。

大きくなった雲は、大量の雨を降らし、巨大化した台風は、強い風と大量の雨を降らす。

これが台風発生メカニズムです。

異常気象による、干ばつ、洪水もこの温暖化が原因と言われています。

 

いま世界は、様々な災害の元の『地球温暖化を食い止めなければならない。』

という方針で進んでいます。

そして、これは対岸の火事ではなく、昨年の様な災害が『自然からもたらされる結果』として我々の暮らしに降りかかってきている今、非常に身近な問題でもあります。

 

この地球温暖化を食い止める策として

世界の取り組みは、産業革命以前の地球の平均気温から現在の温度上昇を2℃未満(1.5℃)にしなければいけない。

そのために、二酸化炭素を始めとする温室効果ガスの排出量を抑制する。

この様な目標がパリで開催されたCOPで満場一致で定められ、世界各国それぞれの目標数値が決められています。

日本も、世界の一員として2013年の排出量に対して、2030年までに、温室効果ガスの排出量を26%削減する。との目標を掲げています。

 

いよいよ世界が動く!と思った矢先

昨年の10月韓国の仁川で行われた世界会議で先に定めた目標では、気温上昇を1.5℃に抑えることができない

達成のためには、日本なら、倍近くの45%削減(2010年比)が必要。という

『これでは間に合わない』というさらに温暖化が進んだ状況が報告されました。

 

この温室効果ガス(二酸化炭素)の発生の抑制は、産業界、運輸業界、そして建物

それぞれの削減努力が必要で、主に

 

・石油・石炭を燃やして作るエネルギーを作らない。

 

・石油・石炭から作るエネルギーを極力必要としない

工場や、機械や、車や、住まいを作る。

 

この様に、我々に最も身近な『住まい』にも原因の一つがあり、これを改善することで、回り回って、災害を減らすことにつながる。という我々建築実務者も重要なポストを担っています。

 

このエネルギー問題は、今急に起こったものではなく、実は40年程前から、住まいの分野でも検討され、改善されてきました。

昭和48年に起こった『オイルショック』

を受けて、『エネルギーには限りがある』

という社会的な流れから少ないエネルギーで暮らせる住まいを!

 

ということで、建物の断熱性能を定めた『省エネ法』ができ、

『S55年基準』

として住まいの断熱基準が制定されました。

 

それまでの、断熱材という考えのない住まいから、熱漏れの少ない住まい、

夏涼しく過ごせる住まいに転換するための基準が定められます。

冬にダウンジャケットを着て、夏に日傘をさす。その住まい版です。

 

その後、段階的に平成4年基準、平成11年基準と進化し、東日本大震災の後、平成25年と平成28年に改正されますが、実質的には平成11年の基準からは進化することなく今も使われています。

そして、これは義務ではなく、『努力目標』でした。

 

『その基準が、ようやく2020年に義務化される。』

『世界から見れば、21年前の化石の様な基準がようやく今更、義務化される。』

という状況でした。

 

しかし、その義務化は見送れれようとしています。

理由は、国土交通省から発表されています。

国交相発表はこちら☝︎

 

▪️初めに として

『パリ協定を踏まえ2030年における温室効果ガス排出量の削減目標の達成に向け(中略)エネルギー消費量を2013年と比較して約2割削減することが必要』

 

としながらも、

住宅規模の建物は今の省エネ基準がほとんどクリアされていないため、義務化することによって、

・省エネ基準に対応できない設計・施工業者が混乱する。

・審査する行政機関の作業が煩雑になり、許可までの時間を要する。

・基準が住まい手に認知されていないため、今は需要がない。

 

要は、出来そうにない。必要とされていない様なので、

見送ります。 ということだそうです。

 

これは、我々実務者としては、あまりに情けない理由であり、

そんな実務者のための商売の道具として『住まい』を位置づけている。

誰のための『住まい』なのか?という視点が決定的に抜けています。

 

私は、オイルショックが起こった昭和48年に生まれました。

今から46年前です。

その頃、携帯電話はなく、車にもエアバックはありませんでした。

エアコンも家電も性能は今の比ではなく、照明も白熱球と蛍光灯が主流でした。

工場からは、汚染物質が垂れ流され、公害が社会問題になりました。

 

その後のそれぞれの進化は、今の通りです。

電話は、スマートフォンが急速に普及し、車はガソリンエンジンから電気へとシフトし始め、エアバックのない新車は、探す方が難しい。

エアコンも、家電も外出先からコントロールできるまでに進化しています。

照明器具のカタログは、LED以外の器具はほぼなくなりました。

あらゆるモノの省エネ性能が飛躍的に進化しました。

車は、高くても『燃費』のいい車が売れる。その上でカッコいいかどうか。

 

そんな時代です。

 

しかし、『住まい』はどうでしょうか。

昭和48年に新築された私の実家は、無断熱・土壁+アルミサッシ・単板ガラスの住まいでした。その頃の新築住宅は、皆似た様な仕様だったと思います。

冬の脱衣場は外ほど寒く、寒い寝室で重い布団をかぶって寝ていました。

冬はとにかくトイレに行くのが寒くて嫌だった。

それはよく覚えています。

 

その後エアコンをはじめ、住まいの家電、車、公害問題は当時は想像すらできなかったほど進化・改善したのに、

『住まい』自体は、それほど進歩していないのではないでしょうか。

 

住まいの中で進化したのは、エアコン、照明器具など付属の製品であり、建物そのものの性能はそれほど進化していません。

そして、さらに

『これからも進歩できないだろうから、基準の義務化は見送ります。』

ということになってしまいました。

 

これは、『住まい』を託される専門家であるはず

の実務者としては、あまりにも不甲斐ない。と思います。

義務化されようとしていた基準は

『世界から見れば、苦笑される様な21年前の化石の様な基準』

の焼き直しの基準です。

 

基準をクリアしても温熱環境を重要視する私たちが日頃目指している

『少ないエネルギーで温度ムラのない快適な住まい』には残念ながら、ならないでしょう。

 

なので個人的には正直『そんな基準を義務化しても、意味がないのではないか』そう思わなくもありません。

 

基準には、その基準の内容に関わらず、合否判定の様な、結果がついて回ります。

もしかしたら、『省エネ基準クリアの家!』という『イメージのみ』のうたい文句の家が出るかもしれません。

そしたら、どう見えるだろうか。。。

 

なんども言いますが、今回見送られ様としている『義務化の基準』はその様な先進的な基準とは、程遠い低い基準です。

 

しかし、その『健康や豊かさからは』ずいぶんと遠い基準すらクリアできないだろうからと見送れることを、我々実務者はもう少し重く受け止めなくてはならないと思います。

 

全ての実務者が、常時最新のトップランナー基準・技術に精通しアップデートし続けて行くことは、大変困難かもしれません。

しかし、住まい手から『実務者=プロ』に求められていることは、

これに他ならず、多くの方が、長年ローンを組んで手に入れる住まいが、『快適』であってほしい。という願いは当たり前のことだと思います。

 

私たち実務者は基準で決まったから ではなく、『豊かさや健康につながる住まい』という観点から、より高い性能の住まいを計画にもこだわり、少しでも安価に創るにはどうすれば良いかを日々学び、磨き続ける必要があると思います。

目指すのは、『豊かな暮らし』であり、その一つとして、

『温度ムラのない、少ないエネルギーで暮らせること』があるからです。

 

その上で、デザイン性や家族の暮らしに沿った間取りができていること。

これが 『豊かな暮らしにつながる住まい』だと私たちは 考えています。

 

2019年1月 Eee works 代表 日下洋介

 

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