住まいづくりはもっと自由に、もっと楽しみながら出来ると私たちは考えています。快適でたのしみのある住まい作りのお手伝い。これが私たち Eee worksの仕事です。
一級建築士事務所 Eee works
『あれこれ考える』シリーズ
設計道具 再考
大工さんの道具を見れば、仕事がわかる。
大工仕事の手始めは道具の手入れから。
これは、大工に限ったことではなくて、何の職種にも通じることだと思います。
築地玉壽司さまHPより
板前なら包丁。美容師ならハサミ。
その道具が、高価か否かではなく、使い込まれ、手入れされているか。
使い込まれた手道具には、手の油が馴染み、鈍く光る。
そんな道具を見ていると、
『この人はええ仕事するんだろうなぁ』
と思います。
我々設計者(少なくとも私は)も道具はこだわりがある人が多いと思います。
プラン作りの際に使うスケッチブック。
そこに線を走らせる、鉛筆。シャープペンシル。私は万年筆を使ったりもしますが、
手道具が手になじみ、指先の一部になるほど使い込めば、
それは、脳と直結しその指先から形が生まれ、まとまっていく。
そんな感覚かと思います。
そこで大切なことが、その道具が思ったように働いてくれること。
スムーズに動作するように手入れをし、ものにもこだわる。
スケッチブックに、鉛筆が、サラサラと走ると、何だかスケッチが上手くなったような気がします。
一方、鉛筆の粒子が荒く、線を描き進めるうちに
『ザラーーーーっとかすれる』
スケッチブックの表面がツルツルしすぎていて、鉛筆乗りが悪い
または、ガサつきすぎていて、表面が毛羽立ってくる。
こんな時は、どうも
『興が乗らない、、、。』
そこで、この鉛筆。
Tombow MONO100
スケッチを描く時、詳細図など手書きで図面を描く時この鉛筆を使っています。
とにかく、なめらか。
今まで使っていて、「線がかすれた」記憶がないくらいです。
そして、鉛筆芯を包む木の側。
これもおそらく、厳選した木を使っているはず。
これは調べたことがないので私の感覚ですが、カッターで鉛筆を削った際の切れ味が違う。
とてもなめらかに削れます。
と言うことで、この鉛筆で図面を書いている時間、そして鉛筆を削っている時間も
『興が乗ります』
夢中になって、図面が頭の中でどんどん広がっていく感じがします。
そして、その相棒が、
KOEIDOの平行定規
UCHIDAの勾配定規
この2つも手放せない道具です。
勾配定規は2つのパーツが扇のように要を中心に広がり、いろいろな角度の線を書くとこができます。
それと上下に平行にしか動かない平行定規を併用してさまざまな角度の線を組み合わせて図面が出来上がります。
今では、日々の業務では手書き図面を書くことはかなり少なくなり、おそらく建築士試験以外では使ったことがなく、それ以降の業務もCADのため、触ることもほぼない。
と言う設計者も多いかと思います。
確かに、CADは優れていて、図面を画面上で拡大したり、移動したり、消したり戻したり。
さまざまなことが自由自在です。
しかし、それゆえに線一本の重みが軽くなっているようにも思います。
日本人初のフェラーリのデザイナーとなったプロダクトデザイナーの
奥山清行さんの著書で
『フェラーリのボディーデザインは木を削り出して行う。粘土を何度もつけては削るを繰り返す一般的な粘土モデルとは、削ることの重みが違う。それゆえにフェラーリの曲線には緊張感があるのではないか』
と言っておられました。
まさしくそう思います!
手書き、手仕事にある種の緊張感や、想いが伝わるような雰囲気が宿るのは
一本、ひと削りに対する気持ちがキチッと乗っかっているからなんだと思います。
そうして作られた住まいが、見る人に
『何かが違う』と思わせる何かが宿るのだと思います。
そんな仕事をしていきたいと思います。
それにしても、
とにかくTombowのNOMO100は書き心地抜群です。
鉛筆にしてはやや高価ですが、十分その価値があります。
ご興味ありましたら、是非!
長文お付き合いありがとうございました。
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