住まいづくりはもっと自由に、もっと楽しみながら出来ると私たちは考えています。快適でたのしみのある住まい作りのお手伝い。これが私たち Eee worksの仕事です。
一級建築士事務所 Eee works
『住まいを考える』シリーズ住まいのエネルギー家づくりのはじめに家具やインテリア
当たり前の再調整
住まい計画のうち、照明計画は、とても大切にしています。
日本の住まいは『明るすぎる』
と言う話は実務者の中でもよく聞く話です。
電球が発明されそれまでは、『夜は暗い』ことが当たり前だった暮らしが、
西洋から伝来した照明により『明るいことが富の象徴』と言わんばかりに
夜でも室内が昼間のように明るいことが『良し』とされているところがあります。
しかし、本来の日本(東洋人)の住まい・暮らしはそうではなかった。
谷崎潤一郎
『陰翳礼讃 いんえいらいさん』
には、
さまざまなモノ・コトには、明るい側面と薄暗い側面がある。
それは、暮らしや、人の内面外面、そして行為におよび、それらを素直に受け入れるように、
空間が、住まいが作られていたが、『文明=西洋化』の機器により、その様子は大きく変わってしまった。
『陰翳礼讃』の中にこんな一説がある。
照明にしろ、煖房にしろ、便器にしろ、文明の利器を取り入れるのに勿論異議はないけれども、それならそれで、なぜもう少しわれ/\の習慣や趣味生活を重んじ、それに順応するように改良を加えないのであろうか、と云う一事であった。
他にも、『紙=障子』そのものの柔らかさ。そして」灯が透過した時の更なる柔らかさ。
について書いています。
これは何も谷崎先生の個人的見解ではなく、我々日本人(東洋人)のDNAに組み込まれた
何事も明確に白黒をつけすぎない『曖昧さ』への安心感。ではないかと思います。
関西人のよく使う言葉にも、
『ぼちぼち やりや』
なども、白黒はっきりさせすぎず、『ぼちぼちのええ塩梅』が適当だとする考え方かなとおもいます。
非常に前置きが長くなりましたが、照明計画の話です。
私たちの設計する空間は、どんどんと天井のダウンライトが少なくなり、
器具自体が見えない間接照明、天井から吊るすペンダント、壁付のブラケットライト、床置きのスタンドライト、フットライトが主流となっています。
これらを点灯した空間は、『パッと隅々まで明るい空間』にはなりません。
必要な場所に、必要な明かり(照度)があり、そうでない場所は、暗がりがある。
と言う空間になります。
住まい手や、空間を利用する方はそこまでで良いとしても、
我々実務者はこれではウマくないわけです。
これを文字や思想だけでいくら話をしてみてもよくわからなくて、この『曖昧』な表現の裏には、数字の裏付けが必要です。
これまでも、この『適度な明るさ』『適度な暗さ』について、照度分布図を確認し、
設計してきましたが、『百聞は一見にしかず』やはり目で見て、照度を数字で確認する。
その検証も必要です。
大阪の梅田にそんな施設が昨年OPENしたとのご案内をいただき、行ってきました。
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コイズミ照明のライティングラボ大阪 グランフロント北舘6F
近大マグロで有名な 近畿大学水産研究所グランフロント大阪店の裏にあります。
施設は、プロユーザー向けの完全予約制の施設ですが、
各種照明器具の色温度ごとの空間の見え方(照度)の確認、器具により照度は同じでも、
『明るさ感は全く違って見えることの確認』
にはじまり、さまざまな検証が可能です。
私は、設計を進める住まいの器具配置を再現し、見え方の確認、照度の確認を行いました。
照度が同じでも、壁・天井・床 どの面が明るい時 明るく感じるか。
色温度ごとの確認。照明重心を下げることの効果、などなど。
さまざまな検証ができました。
谷崎潤一郎 の
『陰翳礼讃』の世界観である
『明と暗』を建築実務者として自信を持って作るための心強い検証ができましたし、
明暗の共存する空間が、豊かな空間であると『照度』と言う数字の裏打ちを持って
確認できたことは、とても有意義な時間でした。
プロの方限定とはなりますが、とてもおすすめの施設です。
検証後は、
平日なら、裏の『近畿大学水産研究所』も比較的空いてるかと思います!
長文お付き合いありがとうございました。
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