住まいづくりはもっと自由に、もっと楽しみながら出来ると私たちは考えています。快適でたのしみのある住まい作りのお手伝い。これが私たち Eee worksの仕事です。
一級建築士事務所 Eee works
『住まいを考える』シリーズ住まいのエネルギー健康な暮らしと住環境植栽・外構計画自然環境・災害
祝竣工 京丹後の家
京丹後の家先日1年点検にお伺いしました。
お引き渡しから早一年。季節を1サイクル過ごしていただき、感想を伺うような訪問となりました。施工いただいた但南建設ピースホーム事業部のメンバーとも久々のご対面です。
点検当日の2024年2月6日は、関東で大雪が降り、都市機能が少々パニック状態に陥っている様子が、繰り返しニュース映像で流れていました。
現地、京丹後市も外気温は、7.5℃ 相対湿度94%、絶対湿度量は7g程度。
流石に今日は少し室温も下がっているかなと、お伺いしたところ
室内は20.9℃ 53% 絶対湿度9.6g/m3
温・湿度的には言うことなしの環境。エアコンは、19℃設定で止まったり運転したりの、自動運転。
温湿度的にはとても居心地の良い空間で
和やかに、一年のふりかえりのような時間となりました。
基本計画がスタートしたのは、2021年の同じ頃2月でした。当初敷地がすっぽり雪に覆われた状況の写真をいただき、積雪地域なのだと気を引き締めた思い出があります。
京丹後市といえば日本海側であり省エネ基準地域区分では
『5地域』
建築基準法の構造計算に用いる垂直積雪量の基準は
1.3M。。
日頃主に太平洋側で設計活動をする我々にとっては、情報では知っているが初挑戦のエリアでもあります。
地域区分や、垂直積雪量の基準
気象庁の日射量データを見ながら、燃費計算を繰り返し温湿度のシミュレーションを積み上げながらの計画スタートとなりました。
住まい手は、気象の専門家でもあり、京丹後市の日射量の少なさや、積雪量の話。
温湿度関係のお話は勉強にもなり、盛り上がった思い出があります。
特に積雪量に関しては、建築基準法上の計算に用いる基準が『1.3M』であることについては、『最近はそこまで降ることはないけれども、忘れた頃(3月初旬)にまとまった積雪があることが多い。との話をしていたら、先ほどの様な積雪がありました。
決して1.3mは積もってはいませんが、ほぼ雪と無縁のエリアのものからすれば、
やはり、積雪地域と思う量です。
敷地は、比較的ゆったりした敷地で、南側隣接地に立つ建物も近年新築された住まい。
こちらに向く壁面(北面)には開口部がほぼなく、
この先早々に状況が変わることも考えられないとのことで、南側を大きく開ける計画としてスタートしました。
シミュレーションで確認し、冬至時期の日射阻害もほぼなく不快では無い日射の取り込み方と、日射遮蔽がポイントになる敷地です。
日頃は、いかに日射を取り込むか。。という検討ポイントとは、大きく違いますが、
エリア的に日射量が少ないことをカバーするためには、取得期に、日射を遮るカーテンブラインド類をプライバシーのために引くことなく、常に取得できる様な開口部設計が、求められる計画です。
この点は、特に検討を重ねた点で、日射取得量を意識するあまり、窓からの日射量は、潤沢にあるものの、室内空間に直射日光が入りすぎ光環境としては質が下がってしまう。この点を避けたい。という思いがありました。
特にダイニングテーブル面に直射日光が当たらないように計画しています。
日射は非常に重要ですが、同等以上に室内の居心地も重要です。
ダイニングテーブルで、くつろぐ時間に、直射日光が『ガンガン』と差し込み眩しい。
これでは、その時間も台無しで結局は眩しさから『カーテンを下ろす』ということになり
本末転倒です。
永田昌民先生の『北鎌倉の家』
新建新聞社 居心地の良さを追い求めて より抜粋
の北庭のように光に照らされた庭を光環境が落ち着いた空間から、眺めるようなダイニングを目標に設計しました。
日射を取得する窓は、そのダイニングの上部吹き抜けの南面に設けていて、
その窓から差し込む光は、ダイニングテーブルに直接降り注がず、室内の壁で受け、反射光が室内を照らすような位置に設けています。
ダイニングの先のデッキ空間は、深い軒に覆われていて、デッキは小雨程度なら雨に降られることもなく、過ごせると思います。
また、大きな開口の前に設けた落葉樹は私たちの定番になっていて、年月を追うごとに成長し、夏場の天然日射遮蔽装置となってくれる日が、待ち遠しい感じです。
また
雪の地域ならではという点では、
ガレージの計画は、『雪かき作業の軽減のため屋根付きとしてほしい』とのご要望をいただいたこと。除雪車が通ることを前提に、道路の除雪しろを残しておくことも考慮しました。
我々雪の降らない地域とは、ご要望の本質の違いを感じた一面です。
暮らしの工夫では、もともと日射量が少ないエリアで洗濯物をどこに干すか。
これも重要なポイントです。
『乾太くん』を導入していますが、部屋干しも併用していただいていて
『当初は地域的に部屋干しで乾燥は難しいのでは、、』との思いだった奥様も、
『キチッと乾いて、併設しているクローゼットも湿気ることなく良い感じです』と
おっしゃっていただき、換気計画もうまくいっている様で一安心です。
『洗濯物は天日干し』との考え方がありますが、もちろん間違ってはいませんが、
洗濯物の水分が、室内の空気に蒸発し住まい全体に還元されることで、住まい全体を『加湿』
することができます。
京丹後の家はこの『部屋干し』以外に特に加湿することもなく、暮らしておられるとのこと。
雪を考慮して、一般的な住まいよりも、土間空間が多めのため、初年度はそのコンクリート内の水分が蒸発し、加湿してくれる。とはいうものの、
かなりうまく、換気・全熱熱交換がうまく機能している結果かなと思います。
最後に、1月1日の地震の際、京丹後市も震度4の揺れがありました。
実感としては、『その揺れは感じなかった』そうです。
耐震等級を上げることは、建物を『固く締める』ことになります。
箱をきつく隙間なくきっちり締める様なイメージです。
そのきっちり締まった箱体がしっかりした地盤の上になっているため、地盤が揺れても
建物が共振せず、『揺れをそれ程感じなかった』につながっています。
住まい手、ピースホームチーム、私たちの談笑の中で、ご家族の
『いい意味で、季節感がなくなりました』
の言葉と共に、
『何かあった時でもこの家にいれば安心』との言葉に安心感とストレスなく過ごしていただいている様子が見えて、我々も一安心したと同時に、とても良い時間が過ごせました。
この先のご家族の変化、室内の無垢材の色付き、植栽の成長など、住まいの成長が
楽しみでなりません。
引き続き、どうぞ宜しく御願い致します。
長文お付き合いありがとうございました。
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