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一級建築士事務所 Eee works

Column コラム

『住まいを考える』シリーズ

2019-09-12

生涯コストを考える。 Column252

生涯コスト(totalcost)を考えれば、

何が大切か見えてくる。

 

住まいづくりでは、いろいろなパーツを使います。

表面に見える部分は、そのごく一部。

 

写真は、『焼き杉板』 杉板の表面を文字通り焼いて炭化させたものです。

材料としては、高価な材料です。しかし、この材料としての寿命が長い。

 

この表面炭化の効果で、 先日建築後20年メンテナンスなしで、まだまだ朽ちることなく

壁材として現役を続行できる例をみました。

秋田では、杉板無塗装20年メンテナンスなし。という事例もあります。

 

通常、外壁に使用する材料は、10~15年位で1度メンテナンスの時期を迎えます。

それが、20年経っても、まだまだ現役。

 

もし、10年で、塗装が劣化して、全面塗り替えが必要な壁材だとしたら、

20年間のコストは、最初のコストと、塗り替えコストを加えたものになります。

 

一方、焼き杉板は20年面で、まだ現役。

 

これを比較して、どちらが安いか。

これが、生涯コストの考え方です。

 

もちろん、材料の良し悪しの評価は『金額』だけではありません。

見た目の美しさや質感。ここは、意匠設計者としてとても重視している部分です。

 

しかし、もっと大切なことがあります。

 

表面に見える部分も大切ですが、同等に、

もしくはそれ以上に大切なのは完成すると見えなくなる部分。

 

いくら、焼き杉板が、20年で現役!30年でも大丈夫!!だったとしても、骨組みが

ガタガタになってしまったら、元も子もありません。

 

そして、骨組みも、外壁も、大丈夫でも、

『暑くて、寒くてもう辛い』これも辛い状態です。

 

実は見えなくなる部分が住み始めてからの『暑い、寒い』に関わる多くを担っています。

 

そうか!

だから、ここには、少々過剰なくらい費用をかけても、価値がある!

 

て、こんな話ではありません。

これにも当たり前ですが、費用対効果と生涯コストの考え方があります。

 

では、この費用対効果とは、何か。

 

例えば、温度・湿度で話をすると、

人は、およそ

夏は 温度28度 湿度50%前後までが心地よく、それ以上は『暑い』となり

冬は 温度20度 湿度50%戦後が程よい加減で、それ以下は『寒い』となる方が多いと思います。

 

空間を隅々まで、『快適温湿度帯』で保つために、どんな方法を取るのか?

ということが費用対効果を比較する出発点だと思います。

 

温湿度を無視して、『骨組みが軽微、設備機器が少ないだから安い!』

というのは、元々の出発点が違います。

 

高級セダンと、軽トラックを費用で比較するようなものです。

 

この場合、結果として残るのは、多くの場合

 

夏場は、暑いけど、我慢

冬場は、寒いので、着込む。そして、耐える。

 

この『工夫』を加味して温湿度の、コントロールできない空間で過ごしています。

 

一昔前は、良かったかもしれません。

 

冬場は、大きく着込めば、なんとかなる。

しかし、ここ数年の猛暑、これは、どうしようもない。

 

 

大きな施設の場合、大きな空間の温度管理は、巨大な設備機器を使って強制的に温度・湿度を

コントロールしています。

 

不特定多数の人が常時出入りするような空間の場合、ある程度仕方ないと思います。

 

しかし、世界の先進例では、こんな”ビル”と言われるような大きな建物も、わずかな設備で

制御できている、素晴らしい計画もあります。

 

要は、できてしまえば見えなくなる骨組みの部分を『きっちり』作るか後で、

大きな設備を使って強制的に温湿度管理をするか。この2択ということです。

 

これは、住宅も同じです。

 

見えなくなる骨組みの部分を温湿度管理が出来るよう、計算から、必要な材料を割り出し

その根拠を持って作り込む。

もちろんまた別の機会にしますが、耐震の話も重要です。

 

これが順番にそろって、

 

第1に日々安全に過ごすことができて、

第2に健康に暮らすことができ、

第3に長持ちする住まいができて、

 

その上で、見た目が良い悪い。表面の材料の手触りが良い悪い。

好きなものに囲まれて、程よい頃合いの空間で、心地よい。

 

という話があるのだと、最近の災害の状況を見て、とても思います。

まだ、電気が復旧せず、

 

暑い中耐えておられる方々には、

心より、お見舞い申し上げます。

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