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一級建築士事務所 Eee works

Column コラム

『住まいを考える』シリーズ

2019-10-19

性能を数値で明示しているか確認しましょう。Column254

性能は、数値で明示する

住まいの『性能』どのように判断されますか?

 

そんなの 『比較』 するに決まってるでしょ。と言われそうですが、

実は、住まいに対する『性能』は的確に比較できる情報がとても少ない。

 

上の言葉は、とてもよく聞く言葉ですが、どれも数値が全く入っていません。

性能は、実は、この様に『イメージ』で語られていることが多いんです。

 

『家は性能!』

と言って、数値を表明し販売を拡大しているハウスメーカーの影響で

 

最近は、住まい手と話をしていて、多くの方が、『高断熱、省エネ、耐震性』

ご興味をお持ちの方が、多くなっています。

 

ただ、この手の情報は、玉石混交で、情報の精度が様々です。

 

例えば、断熱性能を上げる目的は

 

『寒い冬にヒヤッとした空気を感じず、温度差の少ない空間で過ごし、暑い夏でも、ガンガンクーラーを直接浴びることなく、過ごせる住まいを作ること』

 

そして、そのためのエネルギーは少なく省エネで! 

これが目的かと思います。

 

この目的達成の手段として、様々な住まいの外の皮(屋根、壁、窓、床)の断熱方法があります。

きちんと理論を理解して使えば、断熱工法それ自体に、優劣はありません。

 

ところが、本来手段であるはずのこの工法が、目的化した話を良く聞きます。

『〇〇工法だから、高性能!』

これです。

 

 

どの工法も、断熱材の性能と厚みによってのみ、性能が決まる。

これ以上でもこれ以下でもありません。

 

もちろん、素材の金額差はあり、費用対効果の差はあります。

 

断熱材には、同じ厚みでも性能の差があります。

それは、材料自体に違いがあって、それによって、熱に対する強さが違うからです。

 

ところが巷では、この

”断熱材”の温度の通しにくさ” 

を明示しないだけでなく、加えて

 

この断熱材は、湿気を吸い込んで必要に応じて放出するようなことができます。

なので、通常の断熱材よりお得!

的なことを言う”もの”があります。

 

しかし、これは全て間違っているとは言いませんが、非常に限られた使用条件の時に

限って成立する、いわば理論値のような話で、実際に『自由に生活』して

また、誰が施工しても成立するようなものではありません。

 

”断熱材の性能”x”厚み”=断熱性能

 

断熱性能はこれ以上でも以下でもなく、断熱材は、温度変化を緩くする以外の機能は

期待せず、例えば、湿度をコントロールするためには、防湿シートや

熱交換換気扇などその道の専門のものを使う方法が良いと思います。

 

これを数値化して、ある一定の温度差を作る壁の施工コストがいくらかかるのか、

これが、断熱材ごとの費用対効果の”差”で、

 

比較とは、車の燃費比較の様に、同じ条件の試験結果の『数値』で優劣を決める。

これ以外ありません。

燃費 12.8㎞/L < 40.8㎞/L 

住まいも同じです。

住まいも燃費があり、”数値化” 比較は可能です。

その上で、住まいの魅力を語りたいものです。

 

住まいの外回りで、断熱性能が一番弱いのは

『窓』

一般的な断熱材 グラウウール10㎝に対して、国内最高性能のトリプルガラスの窓性能が、

約半分程度これくらいなんです。

 

なので、外回り全体で、窓の占める割合は、多くて15%程度なのに、

熱は、ここから、25%以上逃げている。 

 

だから、少なくとも国内最高レベルくらいの窓性能は必要で、あわせて、

ブラインドや、カーテン、内障子といった『合わせ技』が必要になってきます。

 

そして、窓の断熱性を表す話で、良くでてくる

『窓の結露』の話。

 

窓の結露は、夏場、ビアグラスの表面の水滴と全く同じ原理で、

ガラスの向こうとこちらで温度差があって、ある一定の温度以下になると

 

表面に水滴が発生。

この水滴が発生する時の温度を

『露点温度』と言います。

 

窓の結露も、窓の外と内に温度差があって、室内の温度が下がって

窓表面が露点温度になった時 結露します。

結露は、理科の授業で見た「湿り空気線図」を見ればわかります。

横軸の25度と曲線の50%(相対湿度)の交わるポイントを横に見て、

縦軸は空気の中に含まれる水蒸気の量。

 

この水蒸気の量が一定のまま温度が下がる(ポイントが左に動かす)と

相対湿度が、60、70と上がって最後は100%になります。

 

ここが、露点

そして、露点温度です。

 

なので、『高性能窓=結露しない』のではなくて、

 

木製窓、樹脂窓に代表される『性能値』の高い窓は窓の外の『寒い温度』を遮る能力が

高く室内窓表面の温度が下がりにくいため、

 

『露点温度に達しにくい』

 

性能の低い窓は、外の温度を遮る力が弱く、窓表面が低温になりやすい。

なので、

『露点温度に達しやすい』

これが正確な理解になります。

 

なので、これからの季節 これら高性能窓であっても、厚めのカーテンを引いて

『みんなでお鍋』とかをすると、窓表面 下の方に結露が発生する場合があります!

 

これは、『高い室温+多い水蒸気量』が『厚めのカーテン』によって、カーテンの表裏で

多い水蒸気を保ったまま、温度が下る事で起こった表面の結露であり、

大きな問題ではありません。

 

窓の結露で、問題なのは、普通の暮らしで常に窓全面にびっしり結露が発生し、カビが発生するような状況

また窓表面だけでなく、壁の中の枠が結露するような状況(窓枠や気密など様々な要因)

 

これが、問題で、カビは喘息などの疾患を発生させ、

壁の中のカビは、木材の腐り、シロアリの発生の原因となっていきます。

 

なので、巷で、広がる『高断熱』にも、

きちんと、窓、断熱工法を吟味して、計算したものと、

 

数値だけ、帳尻を合わせた『微妙な高断熱』があります。

 

数値だけでなく、各所部材をしっかり吟味して、

その上で、『暮らしを楽しむための工夫』を考えていきたいですね。

 

今日は、この辺で。

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