住まいづくりはもっと自由に、もっと楽しみながら出来ると私たちは考えています。快適でたのしみのある住まい作りのお手伝い。これが私たち Eee worksの仕事です。
一級建築士事務所 Eee works
『住まいを考える』シリーズ健康な暮らしと住環境
『住まいは、暮らしの器 機能はデザインに優先する』
2020年の1月もはや半月が過ぎ、すっかり新年ムードから、通常モードです。
このままバタバタと2月に突入して、あっとう間にまた年末。。。てなことに。
2019年は、私が設計者を志し修行していた頃 師匠に言われた言葉、
『住まいは、暮らしの器 機能はデザインに優先する』
これが、さらに厚みを持って感じられた一年でした。そして、これからもさらに厚みを持って
私に影響力を持つ言葉だろうと思います。
今私は、いわゆる
『高性能住宅・エコハウス』を
設計していますが、実は、『エコハウスを作る!』ことがゴールではありません。
住まいとは、そこに住まう人が、
健康でも、患っていても、
喧嘩してても、嬉しいことがあった時も、
誕生日でも、フラれた時も、
いかなる状況であれ最終的に
『戻る』場所であり、
明日への英気を養う ベース
の場所だと思っています。
私も昔は、
『住まいにいかに非日常を取り込むか』をテーマとして考えていた時期もありましたが、今は、いかに日常が「穏やかに、くつろげるか』が大切になり
その恩恵も身を持って実感しています。
アラフィフ世代になったことで少し、落ち着いた思考ができる様になったのでしょう。
住まいは、いつでも『戻る場所』と考えると、あまり奇をてらったものではなく、
『じっくり落ち着ける空間』のほうがふさわしい。 そう考えています。
なので、今の私の住まいに対するテーマは、
『豊かな暮らしの器を作りたい』です。
しかし、その『じっくり落ち着ける空間』これがとても難しい。
住まい単体で考えると
住まいの中では、集まって住む関わりと 心地よい距離感の確保と居場所づくり。
そして、周囲との関係では、
周囲の環境との関わり、取り込む外部とそれに対する解放と、プライバシーの確保、
相反するテーマが同時に共存する とても難しく、面白い建築。
それが『住宅』だと思います。
さて、住まいの『じっくり落ち着く空間』とは、どの様な空間でしょうか。
先日、ジャニー喜多川さんがプロデュースされたジャニーズジュニア講演の様子がニュース番組で流れていて、その講演内で『戦争』をテーマにした舞台がありました。
ジャニーズといえば、エンターテイメント集団ですが、その舞台で『戦争』を扱う意味は、
『戦争のない当たり前の日常があって、
初めてエンターテイメントを楽しむことができる』
ということだそうです。
これは、全く住まいに通じる話だと思います。
心身ともに健康で初めて、『楽しみに向かって進める』
ちょうど、明日発生から25年を迎える
『阪神淡路大震災』
1995年1月17日5時46分に
昨日までの日常が一気に変わってしまいました。
続くと思っていた『日常』
が寸断された時間です。
私は、建築に携わる前年で、震災の復旧が修行時代の最初の仕事でした。
それから、25年 とても長い様であっという間だった気もします。
今私たち、住まいを作り出す実務者に求められることは、
『日常が不安なく健康に続く家』と言ってもいいかもしれません。
気にしなくとも、そこにあり続けるという安心感。
それは、奇をてらった様なものではなく、どっしりと基礎の様に目立たず、
しっかりと上家を支える様なものでなくてはなりません。
なので、『高性能な住まい・エコハウス』は、まず基本性能として必須なものであり、
それ自体が、他との差別化を測る様なものでなく、
当たり前に備わっているものではならないのだと思います。
しかし、残念ながら全くそうはなっていない。というのが現実で、
性能を全く数値で明示できない『なんちゃってエコハウス』がその多くを占めています。
阪神淡路大震災では、
10万戸以上の建物が全壊し、6000人以上の命が奪われました。
そんなことが、『日常』を送っていた住まいで起こった。
それを実務者として、再度真摯に受け止め、商売の訴求ポイントとしてではなく、
住まいの『安心』を担保するため、当たり前に
『耐震性=構造計算、耐震等級3』
寒い冬に万が一停電する様な災害が発生しても、温度を維持できる断熱性
『HEAT20 G2〜G3』
それをしっかりベースとした上で、
その家族の特徴に沿って、個々の適度な距離感を保った居場所づくり。
町との関わり、取り込む自然の工夫、
外リビングなど、中間領域をいかに作り出すか。
そんな魅力づくりを計画面で取り組んでいく。
それこそが、
『住まいは、暮らしの器 機能はデザインに優先する』
ということだと思っています。
2020年また、あの日を前に
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、
想いを新たに取り組んでいきたいと思います。
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