住まいづくりはもっと自由に、もっと楽しみながら出来ると私たちは考えています。快適でたのしみのある住まい作りのお手伝い。これが私たち Eee worksの仕事です。
一級建築士事務所 Eee works
『あれこれ考える』シリーズ『住まいを考える』シリーズ健康な暮らしと住環境家づくりのはじめに
定尺と美しさ
昨日
手刻み同好会のkorekara会議
を出張先でオンライン視聴しました。
独立当初は鉄骨造やRC造の住まいも設計していましたが、最近はもっぱら木造で
住まいを設計しています。
昔から
『建築の設計は50歳で新人』
と言われていますが、20代の修行時代は
この先20年もこんなに苦しい修行をして、
『まだ新人か、、、』と暗たんたる気持ちに
なったものですが、(笑)50歳を超えた今、その意味が本当に良くわかります。
50歳ともなると、一通りの建築方式、手順、やるべきこと、やってはいけないことが
経験として一巡しています。
しかしこれらを取捨選択して『更なる追求』という意味では
さあ!これから ということです。
Click☝️
本当に奥が深いです。そして、楽しいです!
さて、手刻み同好会のkorekara会議 出先の都合で、途切れ途切れの視聴でしたが、
その中でも、心に響く金言がありました。
羽根建築工房の羽根さんのおっしゃっていた『線を揃える=美しい建築になる』
建築の美しさについて常に意識されていて、その一つのこだわりが、
『線を揃えること』
これは、響きました。
建築の工程には様々な材料が登場しますが、基礎の鉄筋に始まり木造の柱・梁・垂木に
至るまで、水平・垂直・平行がキチッと揃っていること
それが、美しい建築の基本であるということ とおっしゃいました。
これは、私も同意で 結果としてキチッと揃った仕事は、それまでの準備がキチッと
できているということだと考えています。
これは施工だけでなく、私たち設計の仕事も同じです。
昔は、手書図面だったので、A2という420mm x 594mmのトレッシングペーパー
の上に、何をどこに書くかレイアウトから始めます。
今のように、CADで、最終的にプリントする縮尺を調整でき、
図面全体を寄せるようなことはできません。
一枚の中に、描きたいメインの図・サブの拡大詳細図の縮尺、仕様凡例など
最初にレイアウトしてから描き始めます。ここが結構時間がかかります。
しかし焦ってこのレイアウト調整をせずに、いきなり描き始めるとうまくいきません。
途中で紙面に収まらないことになった場合は、呆然・・。
書き直すしかありません…..
なので結果として、美しく描かれた図面は、最初の準備を大切にした結果です。
上手くできています。
その準備が、なかなか難しく
『伝えたいことの整理 必要な情報の整理 最終系の予想』
これが、一定の経験がなければ難しく、サラッと出来るまでには時間がかかります。
そして、常にそこに気を配り、図面が美しい建物は、『建築も美しい』
そうなるのだと理解しました。
図面は、極論書き直すことで、振り出しに戻れますが、現場はそう簡単には戻れません。
建築の部材には、決まった寸法があります。これは自然から素材をいただき加工し
建築するからですが、例えば木材。特殊な材を除き一般的には3mから6m程度の長さ
幅は40センチ程度まで これが柱・梁の一般的な寸法です。
ということは、それを超える材を必要とする空間は材料を継ぎ足し使うことになります。
例えば梁を長手方向に伸ばすときに継ぎ足す継ぎ目
それが『継ぎ手』
柱と梁のように部材が直行方向にぶつかるところの継ぎ目
それが『仕口』
木造建築の構造体はこの継ぎ手と仕口でできています。
その仕口も梁にぶつかった柱の端のラインが、平行になっていること。
吸い付くように隙間なくきっちり留まっていること。
これは最初の準備(仕事)がキッチりできているからで、後でいくらあれこれいじっても
どうにもなりません。
『線を揃える=美しい建築になる』
本当にその通りだと思います。
堀部安嗣さんは、これに加えて『かっこいい』という切り口で
『かっこいい=嘘がない』という点に共感しました。
香川県さぬき市大串半島の時の納屋を施工された棟梁とのやりとりの中で
『人の都合より、材料の都合が優先』
これもハッとさせられました。
これは、部材には『定尺』やその木が育った環境によりふさわしい使い方がある
と理解しましたが、これを人の都合で木の良い点を無視して使うことは
美しくないこと以前に、木の特徴、強さを無視した使い方になり建築としても良くない。
これも響きました。
実際の設計では、敷地形状は与条件の中でも絶対条件です。
その中で、いかに豊かな空間を作り出すかを考える中で、間崩れを起こしたり
スパンを大きくして梁せいが大きくなってしまったり、これは『人の都合』であり
『材料の都合』ではありません。
材料の『定尺』を今一度意識しつつ、豊かな暮らしの器が出来るよう
しっかり準備して精進しようと 清々しい気持ちになれた講演視聴でした。
先輩方はかっこいい!
50’s 新人頑張ります!
長文お付き合いありがとうございました。
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