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一級建築士事務所 Eee works

Column コラム

『住まいを考える』シリーズ住まいのエネルギー健康な暮らしと住環境植栽・外構計画

2025-05-17

電球色は暗くない! Column370

電球色は暗くない!

『電球色の光は暗い気がします』

これは住まいの設計の中でよく言われることです。

 

そして、実は『照度と色温度は無関係です』と言う話なのですが、

今回は この件 少し深掘りしてみようと思います。

最近の照明器具は、ほぼLEDを光源として使っています。

電球色・蛍光色と言っていた色味を示す言い方も

電球色・昼白色・昼光色という言い方が一般的

照明器具メーカーの器具は多く(主にダウンライト)は器具と電球という概念もなく

お馴染みE28口金や新規格GX53という球交換できる器具もありますが、

電球一体型の器具が多くなっています。 交換の話は今回は割愛します。

さて、なぜ電球色は暗いというイメージが生まれたか!ですが、

ここからは私の仮説と記憶に基づく見解ですが、

一昔前は照明の電球が切れると電気屋さんへ電球・蛍光灯を買いに行ったものです。

その時に電球の色味どうする?問題があったはずです。

昔は、蛍光色と電球色と言っていた気がしますが、、、

要は、オレンジ系の裸電球と白色の蛍光灯が主流だったかと思います。

お父さんがあまり吟味せずパッと買ってきて、家の中の照明の色が部屋ごとに

オレンジっぽかったり白かったり、そんな経験があると思います。

これは、そもそも光源の電球と蛍光灯というそのものの光の色味からきているように思います。

色温度という言い方に置き換えれば、

オレンジ系の電球は色温度が低く2700K(ケルビン)前後

一方白味の蛍光灯は色温度が高く4000K(ケルビン)ものによっては

青白い5000Kというものもあります。

これは、その電球そのものの発色なわけですが、これをLEDに置き換えた時、その色味を

人工的に調色して、現在の照明器具は作られています。

LEDが電球に搭載された当初は、なかなか不自然な色味で、

『白とオレンジを交互に置きました!』という見え方をする器具もありましたが、

今は、演色性も高くなり、かなり自然な色味になった印象です。

ちなみに、自然界の色温度は、

朝日・夕陽は 2000Kー3000K

日中(太陽光)5000Kー6000K

晴天時の正午 6500K

と朝日のオレンジ系から白く青白く変化し日没に向かって再びオレンジ色に変化します。

さて、冒頭の『電球色の光は暗い気がします』はこの電球の成り立ちからきている気がします。

電球=シリカ電球は消費電力が高く

部屋全体を照らすような照度を確保しようとすると

消費電力が大きすぎ、主照明としてはあまり使われず、ペンダントライトや小部屋の照明として

使われ、主照明としては専ら蛍光灯が使われてきた。このため結果としての照度から

 

明るい部屋=蛍光色

薄暗い部屋=電球色

 

という原体験がそうイメージさせるのではないかと思います。

そして、朝日・日没は薄暗いという点からの連想もあるかもしれません。

かくいう私も、昔の実家は天井にドンとシーリングライトが鎮座しており、スイッチポンで

隅々まで明るく!という昼間のような蛍光灯照明の中で育ちましたので

そのイメージは理解できます。W

しかし、色温度と照度は実は別物で、電球色も蛍光色も明るくも暗くもなります。

これは、クルイトフ曲線という

横軸が色温度 左が電球色系右が蛍光色系 縦軸が照度というグラフ

オランダの物理学者Arie Andries Kruithof(クルイトフ)

が、1941年にKruithof Curve(以下、クルイトフ曲線)発表したデータです。

 

これによると、先ほどの電球=暗く感じるの説明がつきます。

電球は小さな部屋や局所照明に使われることが多く、結果としての照度が低い。

このグラフで言うとこんな感じ 

照度が足りておらず暗く感じる

一方同じ色温度でも、照度をあげると『光環境的に快適に感じる』と言う結果があります。

すでに75年も前の実験結果で当時LEDはありませんが、現在もこのクルイトフ曲線は

多くの照明設計者が、一つの目安として使ってきているようです。

 

そして、Eeeworksの照明計画は ここから読み取れることの発展系であることもわかりました。

電球色は照度を上げれば暗くない と言いました。しかし照度をあげすぎると、上のゾーン

暑苦しいゾーンに入ります。これは良くない。

そこで、空間全体の照度を確保するような器具は3000K~3500Kの色温度

ペンダントや壁つけのブラケットなどは、2700K程度の色温度を使っています。

こうすることで、電球色で照度をあげた時の『暑苦しさ』を軽減し、全体照度に付け加える

局所用の器具に電球色を使うことで安らぎの光環境を目指しています。

ちなみに、全体照度を取る器具は間接照明が多く『明るくすることができる』というもので

普段はMAX点灯をベースとは考えていません。

夕方、オレンジに染まった空の色から、また昼間のような光環境は不自然で

MAX点灯が選択できるようには、、、していますが、できれば!その器具は絞って、

電球色の灯りで 落ち着いた光空間を楽しんでいただければと思っています。

夕日に染まる空 その流れで一献! 

そんな最高のリラックスタイムには電球色の空間がよく似合う 

そう感じます。

 

 

 

長文お付き合いありがとうございました。

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