祝上棟　石橋の家

石橋の家が上棟しました。

初めてお会いしてからかなりの時間をいただき、ようやく上棟の日を

迎えることができました。住まい手様　大変長らくお待たせいたしました。

上棟おめでとうございます。

石橋の家は閑静な住宅地という形容が相応しい比較的広いゆったりした区画の計画です。

地区計画もあり、全面道路から外壁の設置バック規制や、隣地境界線も然りで

地域の住宅がゆとりある配置計画で道路に面する建ち姿が威圧的でないように！

という行政の意図が伺えます。

最近特に着目している事ですが、街と建築の関係は可能な限り威圧的でないよう、

馴染むように風景の一部となれればそれが一番良いと考えています。

外構に植栽を設けるのも自然物が街との間で緩衝材となることを期待しています。

ただ、、、

では、その街並みと言える街並みがあるのか。。。

これは残念ながら、特別な『風致地区』でもない限り日本全国で同じ状況かと思いますが、

あまり、というかほとんどないのではないでしょうか。全国同じような建物ばかり、、。

以前は土着的な材料や、地域の大工さんがその地域に根ざした工法で建てた建物が

結果として

統一感ある街並みを作っていたのだと思います。

それが、いつの間にか全国展開するメーカーや、同じメーカー材料を使用することにより、

その規格の住まいが敷地に収まるか否か、この観点が先行するようになったり、

同じ材料で作ることで結果としてにた建物が並ぶ。という結果になっているのだと思います。

本来、というか絶対的に建築は敷地がなければ成立しません。そしてその敷地は２つとして

同じものはなく、計画のスタートが敷地ではなく、単体建物から建築が発想されることは、

どうにも違和感があります。

結果として、町並みに対して威圧的だったり、色調仕上げが馴染まなかったり、

設けた窓の正面にお隣の開口があり『あれれ』という状況が生まれたりするのだと思います。

石橋の家は、一般的な住まいの計画と同様に駐車スペースを要する計画です。

その駐車場をどうするか。これは住まいの建ち姿を決める大きな要素となります。

今回はカーポート分の屋根を跳ね出すにはあまりに大きなスペースとなったため、下屋根の

一部として計画し、柱を立てる計画としています。

２階外壁をセットバックし、下屋根をしっかり取る事で街に対して引きのある、

そして屋根ラインが正面に対して横長のフォルムになったのではないかと思います。

まだ、ブルーシートハウスですが、今後この辺りのフォルムの確認も楽しみです。

敷地周辺状況の確認は、日射の影響の観点からも重要です。

エコハウスの基本的考え方は、無料の日射エネルギーを最大限活用し

エネルギーコストを下げることが考え方の一つですが、

これも近隣の建物の状況確認なしに日射取得量はわかりません。

近隣建物がこの先建て替わる可能性も合わせて推測し大まかにはそれも考慮しておくという事も

大切な検討項目です。

日射取得に関しては、Eee worksでは最近の計画は北窓に代表されるように、

住まいに取り込む直射日光を意図的にセーブしています。

夏の酷暑がひどく、また春・秋もその大半が夏化している事もあり遮蔽期が長くなっています。

遮蔽はガラス面に何か遮蔽のための覆いをかけることになります。

計画段階でガラスの向こうに設けた中間領域もそのガラス面には長く遮蔽のための

スクリーンがかかり、意図した状況とは違ってきます。

そのような状況が『豊かではないのでは？』という観点から南の大開口を見直しています。

石橋の家は、東西南に隣家があり、北側道路の敷地です。

北庭の計画は物理的に無理があり南庭の計画としています。

南に建物を寄せる事で隣家影響により１階部分の直逹日射は遮られることが多くなります。

そこで、吹き抜けを設けその上部に日射取得用の窓を設けています。

吹き抜け上部の日射取得窓は遮蔽した場合も１階と庭の関係に影響はありません。

１階は意図的に日射取得しないように窓を設け吹き抜け上部に日射取得窓を設ける方法は

Eee worksの日射取得方法としては定番化している方法ですが、この方法だと２階の窓を

遮蔽する事で日射コントロールするため、暮らしに直接影響が少ない方法かと思っています。

吹き抜け上部から取り込んだ日射熱を吹き抜けを介して各部屋に届けるための換気計画と

しています。

建物のボリュームがわかる状態になっただけですが、角の窓から見える空が綺麗に見えそうで

楽しみです。

これから、窓が入り断熱工事、外装・内装工事と進みますが、これまで通り一つ一つ丁寧に

進みたいと思います。

長文お付き合いありがとうございました。

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