住まいづくりはもっと自由に、もっと楽しみながら出来ると私たちは考えています。快適でたのしみのある住まい作りのお手伝い。これが私たち Eee worksの仕事です。
一級建築士事務所 Eee works
『住まいを考える』シリーズ健康な暮らしと住環境家づくりのはじめに植栽・外構計画
秋の気配と窓を開ける豊かさ

秋分の日を前に、朝夕は少しずつ秋の気配を感じる季節に
”ようやくなってきました”
Eee worksの事務所は2階にあり、1階は飲食店が入っています。
私のデスク横の北向きの窓を開けて、街の生活音を心地よく聴きながら作業するのが、
私の理想のスタイルなのですが、その時期がようやく到来!そんな実感があります。
1階の飲食店から出てこられた団体さんが、賑やかに盛り上がっている様子などは、
作業中ふと羨ましくもありつつ、しかしそんな街の気配に包まれながら作業する時間もなかなか良いものです。
何より、心地よい外気を取り入れられるこの時期は、それだけで気分を穏やかにしてくれます。
■『性能値のために窓を小さくする』という風潮

さて、先日の鹿児島での講演でも少しお話させていただきましたが、
近年高気密・高断熱住宅では『窓を極端に小さくする傾向』が散見されます。
どれほど高性能な窓であっても、断熱性能の数値だけで比較すれば断熱材の充填された
壁には及びません。そのため、省エネ基準の強化などに伴い、住まい全体の計算上の
数値(Ua値)を良くしようと、窓を減らしたり小さくする設計手法です。
『性能値を良くする!』だけをゴールとすれば、その選択は間違っていません。
しかし、私たちが創っているのは単なる数値の箱ではなく、
人の暮らしを営む『住まい』です。
確かな性能値が不可欠なことは不可欠な前提条件ですが、本当のゴールは
『こころ豊かに暮らすための器』であるかどうかだと考えています。
■窓は、外の豊かさを内に取り込む装置

性能数値を過度に重視する実務者の中には、
『換気装置があるから窓は開けなくてもいい』
『窓を開けると温熱的なロスが大きいのでFIX窓(開かない窓)で十分』
と説明される方もいらっしゃる様です。
しかし、私はそうは思いません。
『窓』は単なる熱損失の穴ではなく、
『外と繋がる装置』であり、外の豊かな自然や
街の気配を内に取り込むための大切な仕掛けです。
だからこそ、私は容易に窓を小さくしたり、FIX窓ばかりを多用したりはしません。
中間領域につながる窓は、思い切って大きく開きますし、
『朝起きたら全ての窓を開けたい』という住まい手の暮らしの習慣も尊重し、
『どうぞ、いつも通り開けてください』とお伝えしています。
■暮らしの中で気づく『開ける時期、閉じる時期』

例えば、真夏に換気のために窓を開けば、外の高温多湿な空気が室内に
流れ込んできます。ですが、私は一度開けてみても良いと思っています。
高気密高断熱の住まいは、外気を取り込むことで室内環境がどう変化するかが
ダイレクトに体感できる住まいでもあります。
その変化を肌で知るからこそ、
『この時期は窓を閉じエアコンに任せよう。そして心地よい風が吹く時期を待とう』
という、暮らしの中で自然な気づきが生まれるのだと思います。
窓を閉じて守りを固めた過酷な夏を過ぎ、ようやく気兼ねなく窓を開け放ち
街の生活音や、虫の声が聞こえてくる心地よい時期の到来です。
連休の間、もし心地よい風が吹いていたら、一度エアコンを止めて
窓を開けて過ごしてみてください。
家の中に流れ込んでくる秋の空気と街の生活音が、日々の慌ただしさをすっと解きぼぐしてくれるはずです。
今回も長文お付き合いありがとうございました。
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