住まいづくりはもっと自由に、もっと楽しみながら出来ると私たちは考えています。快適でたのしみのある住まい作りのお手伝い。これが私たち Eee worksの仕事です。
一級建築士事務所 Eee works
『住まいを考える』シリーズ健康な暮らしと住環境家づくりのはじめに家具やインテリア暮らしを整理する設計植栽・外構計画
祝竣工 箕面の家
箕面の家 は住まい手の『光・日射』に対する深い理解があってこそ踏み込めた計画で
結果として私自身 新しいエコハウスの形に腹落ちした計画となりました。
きっかけは敷地確認の際、南側建物の2階の大きな開口が気になったことがきっかけだったと
記憶しています。
南に庭や開口を設けた場合、どうしてもその窓と正対してしまう。
『目線のバッティングが避けられないなぁ』
という印象があり、この敷地では、
『北庭・北窓』が良いのではと、そこに居て感じました。
茨木の家 Click☝️
これまでも『茨木の家』をはじめ北窓の良さは理解していたので、それを更に進化
させる計画が良いのでは という印象が計画の起点となっています。
箕面の家が着工し夏場の現場が進むにつれて断熱性がG2以上と優れている場合、
日射が差し込まないことによる室温上昇のなさや、反射光による安定した光環境など
その良さについて追加的にさらに、さらに理解が深まったという計画です。
ご連絡をいただいたきっかけは、『嵐山の家』の住まい手のご関係の方で
ご紹介いただいたという経緯です。
嵐山の家 Click☝️
ありがとうございます。
最初のコンタクトから、ご依頼までの流れが非常にスムーズで、旧知であったかと
勘違いをするほどでした。
考えの整理と伝える方、任せる領域の切り分け。そしてものづくりに対するリスペクトも
感じるとてもクレバーな住まい手とご家族で、スムーズに気持ちよく計画は進みました。
この建物のキーワードである『北庭・北窓』が共有できたきっかけは写真でした
住まい手は写真の専門家で『順光・逆光』の知識から『北窓』による室内の光環境の
豊かさを瞬時に理解され『それはいい!』とすぐに了解をいただきました。
NICO STOPさんHPより
『順光・逆光』とは撮影時カメラの位置と被写体と太陽の位置関係を指す言葉で
順光は自分の背中から光が当たって被写体が照らされている状態
逆光は被写体の背中に光が当たって、撮影者が照らされている状態を指します
逆光をうまく利用した印象的な写真もありますが、一般的には被写体に光が当たった
順光の写真が良しとされていると思います。
建築にこれを置き換えると、エコハウスの南面大開口の考えは
撮影者=居住者に直接光が当たっている状態なので、『逆光』。
日射取得が出来る代わりに日射遮蔽が必須な計画となります。
ここ数年の『酷暑』を鑑みた時この先も『南面大開口』の日射取得を旨とする計画で良いのか?
と最近考えていた事も『北窓・北庭』計画の後押しとなりました。
私たちの作る住まいの断熱性能はHEAT20のG3寄りのG2位の断熱性能です。
G2.5程度かつ、開口部を徹底強化した計画の場合『寒い』心配はあまりなく
むしろ気にすべきは夏の『暑さ対策』です。南面大開口の場合『暑さ対策』は開口部に当たる
日射を遮蔽することの一択です。
外付けブラインドをうまく利用して明るさと景観の調整を行うことは可能で、
これまでの計画もその対策で調整しています。
しかし、『北窓』の場合直射日光はほぼ無く『寒さ対策』だけでよく差し込む光は『反射光』
光環境は常に安定していて、『順光』で照らされた庭を眺めると言うことになります。
しかも植栽は光に向かって葉を伸ばす性質があり、『木のおもて』が常にこちらを向いている
状態になる。 とてもいいことづくめです。
そこまで見えた上で作ったファーストボリューム模型がこちら
塊だけの計画で、建物のボリュームと庭の位置 通りに対する屋根の下ろし方を考えています
内部の計画はまだ白紙です。しかしこのファーストボリュームからほぼ形状は変わることなく
計画が進みました。
内部計画は、道路に向かって大きく下がる空間は、インナーガレージとその上部に空間を設ける
スキップフロアの計画です
大きな内部空間は吹き抜けとスキップフロアが空間の中心的位置付けでそれをリビング階段で
繋げています。
今回の階段は初のジグザグ階段。空間の様子からストリップ階段も検討したのですが、
ご家族から『蹴込板は欲しい!』との要望もあり、検討の結果ジグザグとなっています。
通常ジグザグ階段というと、蹴込板が垂直で踏み板を突き出す形で蹴込みを確保する形状が
多い様に思いますが、一筆書きの階段にしたかったので踏み板につながる蹴込板を、
斜めに取り付ける事で蹴込みを確保しています。
図面検討で作ったものを無垢板で製作する技術は、さすが!木又工務店の施工力の高さです。
また、北窓は2つの大きな引き込み木製サッシを使用していますが、気密試験では
0.2㎠/m2 隙間特性値はN=1.14という文句なしの性能。
数年前取り組みを始めた当初は、気密シートに懐疑的だった木又さんが、今では完璧な施工で
気密性能を一発クリアするまでになっていて、もう断熱気密は技術を確立した感があります。
さて北庭との関係ですが、スキップフロアその先の個室からもその各所がそれぞれ
北庭とつながる・望める計画となっています。
また、北庭の植栽は常緑樹は目隠しの役割を担い、各窓と近隣の関係の中間位置に配置し、
落葉樹で季節感という位置付けでデッキ付近にも植栽しています。
植栽は各部屋から眺められることによって、より庭と室内空間との距離を近づけ、意識が向かい
その中間領域に安らぎが生まれると同時に植栽への関心が増し、異変にも早く気づくという
両面の良さがあります。
実際竣工後、植栽のやや不調期もあり心配しましたが、その後の補強により現在は順調に
成長してくれている様で、この夏の成長 秋の紅葉が窓とどう関わるのか、今から楽しみです。
現場打ち合わせの中で北窓の反射光による安定した光環境を体感いただいた奥様が
『これほど良いものとは!』
と評価いただいた事は私もご主人も安堵し微笑ましい瞬間でした。
それくらい安定していて、午前・午後と安定して1300lx程度の照度となっています。
北庭に面した大きな開口には今もカーテンブラインドは設置されておらず
『透明ガラス カーテンなし』の窓のまま暮らしが継続できる様、植栽が順調に育って
行って欲しいと思います。
『北庭・北窓』はこれから『常暑地』と言っても過言では無い関東以西の太平洋側では
非常に有効な計画タイプであると思っています。
この度は 竣工 誠におめでとうございます。
長文お付き合いありがとうございました。
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